「FXを始めてみたいけど…何をしたらいいか分からない!」という方も多かもしれません。そんなFX初心者に向けて、FXがどういった投資であるかをまとめました。
FXで利益が出る仕組みや普段聞き慣れない専門用語も分かりやすく解説しますので、この記事を読めば取り引きを始めるのに大事なことが分かります。
また、FXを始める際に気をつけなければいけない注意点もまとめましたので、参考にしてください。
FXとは?
FXとは、Foreign eXchangeの略称で、日本語では外国為替証拠金取引といいます。
FXでは証拠金取引と呼ばれる方法で取り引きを行いますが、取り引きできる資金を証明するためにFXの口座に証拠金と呼ばれる資金を用意する必要があります。
FXの仕組みは2つの国の通貨の価格変動を予測して取り引きを行う投資です。
例えば日本円と米ドルの場合、1ドル=110円のときに購入し、1ドル=120円になったときに売却すれば10円の利益が得られる仕組みとなります。
FXが株式投資などの他の投資と異なる点は、価格が上がっても下がっても利益を得られることです。FXでは基本的に、価格が「上がるか」「下がるか」を予測する投資ですので、不況で価格が下がり続ける場面でも利益を出すことができます。
FXで利益が出る仕組み
FXでは、価格が上がっても下がっても利益が得られる仕組みと説明しましたが、どうして価格が下がっても利益を出すことができるのでしょうか?
それは、FXは需要と供給のバランスで成り立っている投資だからです。
例えば、1ドル=100円で「買いたい人」と1ドル=100円で「売りたい人」がいれば取り引きは成立します。
株式投資などでは投資対象の価値が上がると予想して株式を購入しますが、FXでは「価格が上がる」と予想する人もいれば「価格が下がる」と予想する人もいます。
その需要と供給のバランスで、FXでは価格が上がっても下がっても利益を出すことができるのです。
最低限知っておきたいFX用語
FXで取り引きを始めようとすると、様々な専門用語を理解していないと取り引きを始めることができません。
FXは全世界対象の投資商品であるため、英語の専門用語が多くなります。FXの特徴である自分の資金の何倍も多く取り引きができるレバレッジなど、大事な用語も理解しておく必要があります。
FXには様々な専門用語がありますが、まずは最低限知っておきたいFX用語について説明します。
pips(ピプス、ピップス)とは、通貨ごとの値幅を表す最小単位のことを指します。日本円であれば最小単位は「銭」、米ドルは「セント」です。
日本の場合、実生活で銭などはほとんど使うことはありませんが、FXではこの最小単位を基準にして取り引きを行います。
各国によって通貨の最小単位が異なると金額の計算が難しくなってしまうので、統一した単位が「pips」です。
日本円の場合、1pips=0.01円(1銭)で、米ドルは1pips=0.0001ドルです。pipsを覚えることにより、異なる通貨でも価格の動きが比較しやすくなりトレードがしやすくなるでしょう。
またFXでは、目標の利益やトレードの結果を表す際に、pipsが多く用いられます。
例えば、「今日は20pips勝つぞ」「昨日は15pips負けた」といった使い方をします。
Lot(ロット)とは、取引量の単位を指します。pipsは値幅を表す単位でしたが、Lotは取り引きに関わる単位を指します。日本語では「ひとまとまり」や「一組」という意味です。
FXでは取り引きを1,000通貨や10,000通貨などのある一定の量で取り引きをします。
各証券会社によって異なりますが、基本的には1Lot=10,000通貨を指し、取り引きの最低単価を1Lotに設定している証券会社がほとんどです。
最近では、0.1Lot=1,000通貨から取引可能な証券会社も増えていますが、基本的には、1万通貨から取引可能です。
取引量の単位をLotに統一することで、取引量が多くなっても単位が分かりやすいというメリットがあります。
スプレッドとは、通貨を売るときの値段(Bid)と通貨を買うときの値段(Ask)の価格差を表します。
FXでは、売値と買値で金額が異なるということを、知らない人もいるかもしれません。多くの証券会社では、このスプレッドこそが実質の手数料に値します。
そのため、FXでは通貨を売買した時点でマイナスからスタートになり、スプレッド以上に価格が変動した際に初めて利益が発生します。
スプレッドは証券会社や通貨ペアによって異なりますので、基本的にはスプレッドの幅が小さい(狭い)方が利益を出しやすくなります。また、取引量が多いメジャー通貨の方がスプレッドの幅は狭い傾向です。
日本人にも馴染みの深い米ドル/円は、多くの証券会社でスプレッドが1pips以下と狭く、初心者でもトレードがしやすくなっています。
レバレッジとは、「テコの原理」のことを指します。FXでは、証拠金(証券会社の口座に入っているお金)の何倍も大きな金額の取り引きができるのが、レバレッジです。
日本の証券会社では最大レバレッジが25倍と定められていますが、レバレッジが25倍だとどのくらいの取り引きができるのでしょう。
例えば、証拠金が10万円だった場合、レバレッジが25倍だと250万円分の取り引きができることになります。証拠金が10万円でも250万円分の取り引きができると、利益が10円でもレバレッジが効き25万円分の利益を得ることができます。
しかし、反対に損失を出した際もレバレッジがあると損失が大きくなりますので、注意が必要です。
FXの特徴
FXには、他の投資商品にはない様々な特徴があります。
FXは少額から始めることができ、スマートフォンだけでも取り引きができたりと初心者でも気軽に始めやすい投資です。最低取引単位も低くなり、その手軽さから日本でもFXを始める人が増えています。
FXは利用する証券会社や通貨ペアによっても様々な特徴がありますが、まずはFX全体に共通する特徴を見てみましょう。
FXの最大の特徴が、平日は24時間取り引きが可能という点です。
日本の株式市場などは平日の朝9時〜15時など日中にしか取り引きできないものが多いですが、FXは夜間でも取り引きすることができます。
24時間取り引きが可能なので、日中は仕事で忙しいサラリーマンや主婦の方でも空いた時間にFXで取り引きすることが可能です。
また、FXは全世界で取り引きされているので、時間帯によっても流動性が異なります。取引量が多くなる時間帯は、以下の3つが挙げられます。
- 東京時間(日本時間:9時〜17時)
- ロンドン時間(日本時間:16時〜26時)
- ニューヨーク時間(日本時間:21時〜29時)
ロンドン時間やニューヨーク時間などは流動性も高く、日中忙しい方でもトレードできる時間帯です。
FXは、スマートフォン一つだけでも、通信環境があればどこでも取り引きすることができます。様々なFX会社で利用できるプラットフォームや各証券会社から独自の取引ツールなどが提供されており、FX口座を開設していれば無料で利用することが可能です。
スマホ向けのFXアプリでは直感的に操作できるツールが多く、初心者の方でも簡単に取り引きを始めることができます。
しかし、パソコンに比べてスマートフォンではできることに制限があり、チャートも大きな画面で確認することはできません。トレードスタイルにあったデバイスを選ぶことも重要です。
FXはレバレッジがあるため、少ない資金で始められ、大きな利益を目指すことができます。
証券会社によって最低取引単位は異なりますが、10,000通貨での取り引きであればおおよそ7〜10万円あれば取り引きが可能です。
1,000通貨から取り引きできる証券会社であれば10分の1程度の7,000~10,000円から始められます。
また証券会社によっては、買い物などで貯まるポイントを使って取り引きできる会社もありますので、実際には無料で始めることも可能です。
どうしてもリアルマネーでの取り引きが不安という方は、各証券会社で仮想の資金を使ったデモトレードという方法もあります。
トレードを始めるのに必要なもの
参加への敷居が低く誰にでも始めやすいFXですが、FXを始めるための条件や最低限用意しなければいけないものもあります。
FXのトレードをレベルアップしたり、快適な環境で取り引きをしたりするためには様々な設備や知識への投資は必要ですが、この章ではまずFXを始めるために最低限必要なものをまとめました。
これから説明する項目を準備できれば、取り引きを始めることができるでしょう。
はじめに必要となるのが、FXのトレードをするための証券口座です。
国内には多くの証券会社がありますが、口座を開設するためには各証券会社のホームページなどから申し込む必要があります。
満18歳以上であれば誰でも申し込みは可能で、最短で5分ほどあれば申し込みできます。
その他に必要な書類として、以下の提出が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証やパスポート)
- マイナンバー書類 など
申し込みから口座開設までに要する期間は証券会社によって異なりますが、最短で当日〜5日(営業日)ほどあれば口座を開設して取り引きを始めることができます。
また、証券会社によっては口座開設の際にボーナスを受け取ることができる会社もあります。
FXを始めるために、証券口座に入金する証拠金も用意しなければいけません。1,000通貨から始められる証券会社であれば、数万円程度用意すれば取り引きを始めることができます。
しかし、FXは証拠金取引ですので、証拠金が少なければロスカット(強制的に取り引きを決済される)の可能性も高くなります。
証拠金も多いに越したことはないですが、大きな金額でトレードをしていると市場が大きく変動した際に思わぬ損失を被る場合もあるので、注意が必要です。
証券口座に入金する方法は、ATMなどから振り込んだりネットバンクを通じて振り込んだりすることもできます。
最低限必要な証拠金額が各証券会社によって異なりますので、事前に証券会社へ確認しましょう。
最後に必要なのが、トレードができる通信環境とパソコンやスマートフォンなどの通信機器です。
先述したとおり、スマートフォンだけでも取り引きを始めることができますが、パソコンに比べてできることは限られてきます。
スマートフォンだけでの取り引きはややハードルが高いので、初心者の方にはまずはパソコンでの取り引きがおすすめです。
また、パソコンでもOSによって使用できる取引ツールやアプリも異なります。FXを始めるために新しくパソコンを用意するのであれば、パソコンのスペックやOSも重要です。
通信環境についても不安的な状況だと、チャートへの反映が遅れたり決済ができなかったりということもあります。パソコンで取り引きする際は、無線ではなく有線での通信環境が適しています。
FXを始める際の注意点
FXを始めるための準備が整ったら、次にFXで失敗しないための注意点を説明します。
FXではその手軽さから多くの人が取り引きを始めますが、中にはFXが原因で借金をしてしまったり人間関係や仕事に支障をきたしてしまったりする人もいます。
そうならないためにも、FXを始める上で気をつけなければいけない注意点をまとめました。どの項目も決して難しいことではないので、気をつけて取り引きを始めてみてください。
FXは投資ですので、勝つこともあれば負けることもあります。始めたばかりだと勝ち続けることは難しいので、損失が膨らんでしまうこともあります。
そのため、生活資金や借金をしてまでFXを始めてしまうと、生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
証券口座に入金するお金は、最悪失っても生活に支障がない範囲で入金することが大事です。
早く稼ぎたいという人や、レバレッジをフルに活用したいという人は、証拠金を多めにいれてしまう傾向があるので注意しましょう。FXを始める際は、必ず余剰資金で始めることが大事です。
余剰資金で始めるのと同様に、自己資金に合っていない無理なLot数で取り引きをしないように注意してください。
初心者がFXでいきなり勝ち続けることは容易ではありません。思わぬ損失が膨らみ一気に資金を減らしてしまう人もいます。
負けが続いてしまうと、取り返そうとLot数を上げて無理なトレードを繰り返してしまう人もいます。
一時的に勝てる場合もありますが、そのほとんどの人が結果的には負け続ける可能性が高いです。そうならないためにも、取り引きを始める前に自分なりのルールを設けましょう。
初心者のうちは損失の割合を資金の2〜5%程度に設定することで、一気に資金を減らしてしまう確率を大幅に下げることができます。
トレードを続けていると熱くなってLot数を上げたくなるかもしれませんが、その気持ちを抑えて冷静にトレードすることが大事です。
FXの為替相場を動かす要因として、ファンダメンタルズ要因というものがあります。
ファンダメンタルズ要因とは、経済成長率や雇用統計など経済指標をもとに為替相場に影響を与える要因を指します。
毎日様々な国の指標が発表されていますが、中でも米国の消費者物価指数(CPI)や雇用統計などが発表される際は相場が急激に変動するかもしれません。
こういったタイミングでの取り引きは予想が難しく、FX上級者でも指標発表時は取り引きをしないトレーダーも多いです。
また、政治的な要因(政権交代など)や地政学的な要因(地震や災害)でも相場が急変することもありますので、こういった要因が発生する可能性がある場合は、取り引きを控えるようにしましょう。
まずはデモトレードを試してみる
これまで様々な注意点を説明しましたが、いきなりすべてのことに注意しながら取り引きをするのは難しいと思う人もいるかもしれません。
そういった場合は、まずはデモ口座でデモトレードを行うことで、リアルマネーを使わずにトレードの練習や感覚を掴むことができます。
デモトレードとは、証券会社で仮想の資金を使ってトレードを行うことができ、実際のチャート画面でトレードをすることが可能です。
デモ口座は無料で簡単に開設できる会社も多いですので、初心者の練習に適しています。
証券会社によってデモ口座を使える期間は異なりますが、初心者のうちはまずデモ口座でトレードの感覚に慣れたり、勝てるようになったりするまで練習したりすることもできます。
1ヶ月〜3ヶ月ほど練習して勝てるようになれば、リアル口座での取り引きにも安心して挑戦することができるでしょう。